ここは個人の実験室です。
気になることがあるとまずその仕組みが知りたくなる。ただ読んで分かった気になるだけでは腑に落ちないので自分で組み立ててみる。
理解するために作る。作ってみてできることとできないことを知る。シクミラボという名前もそこから取りました。
実験室なので並んでいるのは完成品だけではありません。途中で止めたものや関心が移って放置しているものもそのまま置いています。うまくいかなかったことも実験の結果です。
思いついたときに始められる。飽きたらそこで止められる。こんなやり方ができるのは個人の実験室だからです。
どんな技術でも振る舞いと使う手順が分かれば格段に付き合いやすくなります。中身の原理を全部理解していなくても「どう動くか」「どういう順で触ればいいか」がつかめれば道具として使えるようになる。
そして一見難しそうなものもほどいていくと小さくて簡単な仕組みの組み合わせでできています。難しいのは個々の部品ではなくそれをどう組むかの方でした。
いま手こずっているのはUI/UXの設計です。動くものは作れても使う人にとって自然な形にするのは別の難しさがあります。ここも手順として整理できないか作りながら考えています。
ほどいて分かった小さな仕組みを今度は組み合わせてみたい。それぞれは地味でも掛け合わせれば化学反応のように想像もしなかった面白いものになるかもしれません。
ここで実験をしている人のことです。
興味が湧くと自分でもやってみたくなります。
子どものころは工作とプラモデルばかり作っていました。時計などの機械を分解して親に怒られることもありました。壊したかったわけではなく、中がどうなっていて、どうして動くのかを知りたかったのだと思います。組み立てて動くか確かめ、うまくいかなければ原因を探す。Webアプリを作っている今も、やっていることはあまり変わりません。
高校時代はギターとシンセサイザーに熱中しました。友人とはスタジオでセッションし、一人では部屋にこもって音色や曲を作っていました。芸術大学では放送を専攻して脚本や絵コンテを書き、その後はアニメーション作品の脚本も担当しました。
卒業後は測量業やギター講師、音楽制作、設備のメンテナンス、サービス業、旅行の添乗などを経験しました。40歳を前にIT業界へ移り、通信設備の工事と業務システムの開発に携わるようになりました。打ち合わせから設計、開発、運用保守までを担当し、業務の自動化にも関わってきました。
一見するとばらばらな経歴かもしれません。けれど自分の中では同じことを続けてきた感覚があります。音色や場面の流れを組み立てる。現場や旅行の段取りを整える。業務の流れをシステムに置き換える。どれも複雑なものをいったんほどいて、分かる形に組み直す作業だったように思います。ギターを教えるときも、相手がどこでつまずいているかを探し、伝わる説明を考えてきました。
ものを作っていて視界が大きく広がったのは、自分で作った曲が音源になったときです。打ち込みと自分のギターで作った骨組みに、専門のメンバーの演奏が加わる。自分では思いつかなかったフレーズや表情が入り、曲が一気に立体的になりました。ヴォーカルが乗ったときには、自分の手を離れて一つの作品として独立したように感じました。
自分で作ったものが誰かの手に渡って、自分だけのものではなくなる。そのことに大きな喜びを感じました。
シクミラボで作っているものもその延長です。気になる技術を自分の手で試し、動くところまで持っていく。そして使う人に分かりやすい形に整える。途中で迷ったことやうまくいかなかったことも、次に作るための材料だと考えています。
公開するのは、その先を見てみたいからです。誰かに使ってもらうことで、思いもよらなかった見方や使い方が生まれることがあります。小さな仕組みが誰かにとって意味のあるものになる。そこにも作ることとはまた別の喜びがあります。
シクミラボでいろいろな仕組みをつくっている人。
猫のもなかと暮らしています。
ギターと戦闘機、ビールと魚介類が好き。
1970年代生まれ。
人と向き合って言葉をやりとりする仕事を長くしてきました。相手の話を聞いて理解し、自分の言葉で伝える。当たり前のことですがいつも難しさを感じていました。
分かったつもりで話すとどこかで食い違いが生まれます。だから自分で組み立てて確かめる。できることが分かっていれば安心して伝えられます。
ここに並んでいるものは誰かに納品するために始めたものではありません。気になったことを自分で確かめるために作ったものです。気になるものがあれば声をかけてください。
hello@sikumilab.com